大腸カメラ検査の事前説明で、ダメ元で麻酔の使用などについて訊いてみると、麻酔はないが鎮静剤なら使用できるとのこと。
意識がぼんやりして苦痛を軽減させる効果があるのだとか。
そういうのもあるのか!Σ( ゚Д゚)
前の病院では、そもそも提案もされなかったが、迷わず使えるものは何でもお願いする。
いい歳をして情けない限りだが、検査を前にして、そんな姿が余程狼狽して見えたのだろう。
最後に、「鎮静剤しっかり使うから安心してね!」 と励ましてくれた。(;・∀・)スンマセン
そして検査室に移動。
どうやら鎮静剤は栄養補給に使用していた点滴を付け替えて体に注入するらしい。
なるほど、これは理にかなっている、なんて1人で感心。
初めての入院生活は、毎日新しい発見がある。
さあ来い!鎮静剤!
・・・しばらくして、薬の効果で頭がボンヤリしてきた。
深夜の熟睡していた時に起こされた時みたいな、強かにお酒に酔っているときのような、なんとも形容しがたい感覚だった。
思考は鈍るけれど、意識はそれなりにはっきりしており、やはり麻酔の様にはいかない。
これはやはり痛いのでは?
そして検査開始。
結論、痛いものは痛いです。(;^ω^)
2回目だけれど、これは慣れる気がしない。
多少は意識が混濁して、不快感は軽減されている気もするが、記憶にも残る程度に思考力や感覚はちゃんとある。
とはいえ、ある方がゼッタイ良いので、次からも検査の折には是非使ってもらいたいと思う。
そして、なんとか検査終了。
鎮静剤の投与後、1人では歩けないので車椅子で病室まで運んでもらう。
普段はベビーカーを押している身としては、逆に押される日がこんなに早く訪れようとは思わなかった。
検査の結果、経過はそれなりに順調らしく、寛解に近づいてきているとのこと。
確かに便の状態も改善に向かっているような気がする。
また、相部屋(たしか6人部屋だった)に空きが出たとのことで、そちらに移動させてもらうことになった。
部屋への移動は体だけ移動するのかと思いきや、ベッドごと移動だった。
ベッドにキャスターがついていたらしく、看護師さんがロックを外して、頑張って押して移動してくれた。
すみません、ご面倒をお掛けします(;´・ω・)
また、嬉しいことに翌日からは食事が解禁されたのだ!
たった2、3日間の断食だったが、随分と長いことご無沙汰だったように感じた。
久々の食事に感謝を込めて手を合わせる。
「いただきます」
何度もしてきた筈だったが、ようやく、その行為の意味が分かった気がした。
姿勢を正し、逸る気持ちを静めて、慌てずゆっくりと味わう。
せめて礼を正すことで、この溢れる気持ちを返したい。
勿論、病人なのでお粥や、豆腐といったお腹に優しいライトな献立だったが、久しぶりの食事は、
正に五臓六腑に染み渡る、本当に感動する美味しさだった。
「嗚呼、美味い」
やはり食事をすると生きている実感が湧いてくる。
お粥と共に感謝を噛み締める度に生物としての本能が喜びを訴えかける。
食事とは、こんなにも尊い行為だったのか。
「ごちそうさまでした」
そう、正しくそれは私にとっての馳走だった。
改めて手を合わせ、食事に関わる全てのものに感謝した。
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